昨今、在宅の領域でも心不全や心筋梗塞の治療後の方などの心疾患の方が増加しています。
日本は世界でもトップを走る超高齢化社会であり、その中で心不全を含む心疾患にかかる患者は増加しつづけ、がんに次いで、2018年現在で死因の第2位を占めています。高齢心不全患者さんが大幅に増加すること=「心不全パンデミック」が予想されています。
心不全が単一で生じている高齢者はすくなく、腎疾患や呼吸器疾患が併存している方が非常に多いのも本邦の高齢化に伴う特徴と言えます。
心臓リハビリテーションと一般的なリハビリテーションの違い
一般的にイメージされるリハビリ=運動療法ではなく、心臓リハビリの中の1つに運動療法があります。運動療法のほかに、生活指導・食事指導・服薬指導・禁煙指導などの学習指導活動や職場復帰や心配ごとの相談・カウンセリングなどを行います。このすべてが「心臓リハビリテーション」です。
心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)は、心臓病患者の体力と自信を回復させ、再発予防法を学び実践していくための治療プログラムです。
急性心筋梗塞や心不全など心臓病を発症し入院すると、心臓の機能低下に加えてしばらく安静を強いられるため、体力が低下します(身体的要因)。さらに心臓病を突然発症したことで、今後活動や運動をどの程度までしていいのかわからない、という強い不安感が生じます(心理的要因)。また、心臓病を一度発症した患者は、同じ病気を再度発症する危険性が高いため、再発予防への取り組みが非常に重要となります。
心臓リハビリは、心臓病発症により低下した体力を運動療法で回復させて自信を取り戻し、さらには心臓病が再発しないよう予防法を学び実践していくための、治療プログラムです。
上の図は国立循環器病センターの心臓リハプログラムです。訪問看護や訪問リハビリテーションの現場では、週5回の介入など現実的ではありません。週1~3回の介入をおこなう中で、
①体重管理(一般的に数日で2㎏以上の増加は受診目安)
②内服管理
を徹底して、安全な身体状況の時に
③運動療法の実施
リスクが高い時には
④教育やカウンセリング介入
をすることで、日常生活動作の維持と再入院予防にアプローチしていきます。
苦しくて苦しくてたまらない。そんな時に救急搬送では遅い。
在宅領域で接する機会の多い疾患に心不全があります。心不全の症状は多岐に渡りますが、苦しくて苦しくてしょうがない状態で救急搬送した場合、最悪、人工呼吸器装着や緊急透析など負担の大きな治療がされます。これは入院の長期化を意味します。
心不全は入退院を繰り返すことで、徐々にADLが落ちていきます。最初の増悪を極力作らないようにする!そのために早期から訪問看護とリハビリテーションで教育をしてセルフマネジメントを確立していく、それができたら運動療法で基礎的な体力を向上させておく!この流れが非常に大切になります。
体重の増減やその他の身体状況で心不全兆候をつかみ取り、早期にかかりつけ医に受診することで重症化を防ぐことができ、結果として長く在宅での生活を営めることとなります。
是非、早期からの看護師・リハ職の介入をご検討下さい。
弊社では、近隣の松下記念病院様と共同で心不全の方の入院時~在宅までを共有し、よりよい医療を提供できるように研修なども実施しています。
える訪問看護ステーションでは、守口市・門真市・大阪市・寝屋川市を中心に、急性期経験の豊富な看護師・リハビリテーション職種を採用しており、どのような疾患や病態の方にも適切に対応可能です。地域の病院・往診医・ケアマネジャー・ヘルパーなど利用者を取り巻くすべての方と密接かつフラットかつ迅速かつ正確に情報共有を実践しています。より良い在宅生活の獲得を皆さんと共にすすめていければと思います。
「守口市・門真市で心不全の訪問看護と言えば「える訪問看護」:で、そもそも「心臓リハビリテーション」って何?」へのコメント
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