本記事は、病院の地域連携室・ケアマネジャー・主治医の皆様を主な読者と想定し、ターミナルケア加算の制度的位置づけと、門真市・守口市エリアで運営する える訪問看護ステーション の実務的な対応体制を整理したものです。患者様ご本人やご家族の体験談ではなく、制度と実務の構造をご確認いただく資料としてご活用ください。
ターミナルケア加算の制度的位置づけ
ターミナルケア加算は、介護保険における訪問看護費の加算区分の一つです。在宅で人生の最終段階を迎える方への訪問看護を、制度として評価する仕組みであり、看取りの局面における主治医・訪問看護師・ケアマネジャーの連携を前提に設計されています。
算定にあたっては、厚生労働省告示および解釈通知に示された要件を満たす必要があります。代表的な要件は次のとおりです。
- 死亡日および死亡日前14日以内に2回以上の訪問看護を実施していること
- 主治医との連携のもと、ターミナルケアに係る計画および支援体制について患家の同意を得ていること
- ターミナルケアの提供内容を訪問看護記録書等に記録していること
- 24時間連絡が可能な体制を整備していること
具体的な算定単位数や要件の最新情報は、その時点で適用される介護報酬告示に基づきますので、主治医・保険者・ご加入の保険制度に応じてご確認ください。事業所側では、訪問看護指示書の内容と訪問記録に基づき適切に算定します。
緩和ケアとターミナルケアの違い
連携室・ケアマネジャーの皆様からのご相談で混同されやすい概念として、「緩和ケア」「ターミナルケア」「ターミナルケア加算」の三つがあります。整理します。
- 緩和ケア:WHOの定義に基づき、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対し、苦痛の予防と緩和を行う医療上のアプローチの総称です。病期を問いません。
- ターミナルケア:人生の最終段階における医療・ケアを指す臨床用語であり、緩和ケアの一部に位置づけられます。
- ターミナルケア加算:介護保険の訪問看護費における報酬区分です。ターミナルケアの実践に対し、制度上の評価として加算されます。
つまり、緩和ケアという臨床上の実践があり、その中でも人生の最終段階に焦点を当てた局面がターミナルケアであり、それを介護報酬として評価する仕組みがターミナルケア加算という三層構造です。連携室から訪問看護ステーションへ依頼を行う際は、患者様の病期と必要な処置の内容をお伝えいただければ、こちらで該当する加算区分を確認し、ケアプランに反映いたします。
在宅ターミナルケアで継続される主な医療処置
人生の最終段階を在宅で過ごされる患者様に対し、訪問看護ステーションが継続することの多い処置を以下に示します。いずれも主治医の指示に基づき、特別管理加算の対象となる場合があります。
- PCAポンプによる麻薬持続注入 — モルヒネ・フェンタニル・オキシコドン等の持続皮下注または持続静注により、がん性疼痛のコントロールを継続します。流量設定・レスキュー回数・副作用観察を主治医と共有します。
- CVポート・在宅IVH(中心静脈栄養) — 経口摂取が困難な患者様に対し、輸液の管理と感染対策を継続します。穿刺針の交換頻度はガイドラインに準拠します。
- HFNC(高流量鼻カニュラ酸素療法)・NPPV・TPPV — 慢性呼吸不全・神経筋疾患の終末期における呼吸器管理に対応します。設定値の変更は主治医の指示に基づき行います。
- 褥瘡管理 — DESIGN-R評価に基づくアセスメントと処置を継続します。終末期は体位変換の制限がある場合も多く、ご家族との合意形成が重要となります。
- 気管カニューレ管理・吸引 — TPPV併用時を含め、定期的な交換とトラブル時の対応を行います。
- 膀胱留置カテーテル・ストーマ管理 — 排泄管理の継続により、患者様のQOL維持を支えます。
これらは個別の指示書および主治医との連絡の上で実施します。お問い合わせの段階では、必要な処置の種類と頻度をお伝えいただけますとスムーズです。
主治医・連携室・ケアマネジャーとの連携プロセス
ターミナルケアにおいては、主治医・訪問看護師・ケアマネジャー・ご家族の四者が情報を共有し続けることが、患者様の意思に沿った在宅療養の前提となります。える訪問看護ステーションでは、次の手順で連携を組み立てます。
- 初回相談 — 病院の地域連携室・ケアマネジャー・主治医からご相談を受け、患者様の医療依存度・使用機器・ご家族の介護力を確認します。
- 受け入れ可否の判断 — 事業所の看護師体制と必要処置を照らし、安全に対応できる範囲かを判断します。判断にあたっては主治医のご意向を尊重します。
- 訪問看護指示書の受領 — 主治医から指示書を発行いただき、処置内容・緊急時連絡先・看取りに関する方針を文書で確認します。
- 初回訪問・アセスメント — ご自宅にうかがい、生活環境・介護導線・感染対策上の留意点を確認します。
- ケアプランの調整 — ケアマネジャーと協議のうえ、訪問頻度・夜間対応・他職種(訪問薬剤師・訪問入浴等)との調整を行います。
- 24時間連絡対応 — 状態変化時の電話相談および臨時訪問の体制を整備します。
- 看取り期の対応 — 主治医の指示のもと、死亡確認の流れと連絡経路をご家族と事前に共有します。
各段階において文書記録と口頭での申し送りを並行して行い、夜間や休日の引き継ぎでも判断のばらつきが生じないよう運用しています。
受け入れ判断で確認する項目
医療依存度の高い患者様の在宅移行をご相談いただいた際、事業所として確認する項目を整理します。連携室・ケアマネジャーの皆様が情報をご準備いただく際の参考としてください。
- 必要な医療処置の種類・頻度・使用機器のメーカーおよび設定値
- 主治医の指示内容、訪問看護指示書の発行可否
- ご家族の構成と日中・夜間の介護対応可能時間帯
- 吸引・薬液交換等の手技について、ご家族が習得済みか否か
- 緊急時の連絡先と、最寄り医療機関との連携状況
- 訪問頻度の希望(1日複数回訪問・夜間訪問の必要性)
- 看取りの方針について、ご本人・ご家族・主治医での合意形成状況
これらの情報をもとに、ICU・急性期病棟での勤務経験を持つ看護師を含む事業所体制で対応可能かを判断します。受け入れ可否はあくまで個別判断であり、ご相談時点で確約するものではない旨をご了承ください。
ICU・急性期での経験が在宅ターミナルケアで活きる場面
える訪問看護ステーションでは、ICUおよび急性期病棟での勤務経験を持つ看護師が在籍しています。在宅ターミナルケアの局面において、これらの経験が活きる場面は次のとおりです。
- バイタル変動の評価 — 終末期に特有のバイタル変化を、急性期での観察経験に基づき主治医へ報告します。
- 麻薬の流量管理 — PCAポンプの流量計算、レスキュー回数の評価、副作用観察を、薬剤の薬理学的特性に基づき行います。
- 呼吸器設定の理解 — HFNC・NPPV・TPPVの設定変更が及ぼす生理学的影響を理解した上で、主治医と協議します。
- 感染対策の徹底 — CVポート・IVHの無菌操作を在宅環境に適合させ、感染リスクを低減します。
- 多職種連携の運用 — 主治医・訪問薬剤師・ケアマネジャー・PT/OT/STとの情報共有を、急性期病棟でのチーム医療の経験に基づき推進します。
これらは座学のみでは習得しづらく、臨床現場での経験を背景とする判断力が支えとなる領域です。
門真市・守口市エリアでのご相談先
える訪問看護ステーションは、門真市・守口市を中心に訪問看護を提供しております。ターミナルケアおよび医療依存度の高い患者様の在宅移行に関するご相談は、病院の地域連携室・ケアマネジャー・主治医の皆様からのお問い合わせを歓迎いたします。
受け入れ可否は患者様の状態・必要な処置・ご家族の介護力・主治医の指示内容を総合的に確認したうえで個別に判断いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
関連記事
お問い合わせ
ターミナルケア・重症患者様の在宅移行に関するご相談は、下記フォームよりお寄せください。地域連携室・ケアマネジャー・主治医の皆様からのご連絡に対応いたします。
「ターミナルケア加算と訪問看護の実例|門真・守口のえる訪問看護」へのコメント
コメントはありません