さて、今回は難病系ホスピスの不正請求の報道が昨年2024年中盤から多くあった件について、どのような不正がどのような構造でおこっているかを、訪問看護サービスにあまり詳しくない方向けに書いていきます。
もちろん、沢山の真っ当にやられている施設があります。
そういった施設を非難するわけでもなく、そういった施設が迷惑をこうむっている現状を嘆いています。
ただ、不正の構造をよくよく理解しておくことは重要と考えていますのでこちらを記載していく次第です。
目次
- この記事の解説動画はこちら
- 訪問看護の収益構造
- 介護保険とは
- 医療保険とは
- 訪問看護ではどっちの保険を使うの?
- 訪問看護の開始までの流れ
- 訪問看護の立場から医療保険・介護保険での介入の違い
- 介護保険の場合
- 医療保険の場合
- 訪問看護の介入制限
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この記事をもとに、弊社代表と部長が雑談している動画になります。
訪問看護の収益構造
どのような不正請求があったかは、どのような請求・利益構造になっているかの理解が必要になるので、まずはそこから話していきましょう。
訪問看護は医療保険及び介護保険双方の保険制度に跨ったサービスになります。
介護保険とは
介護保険は、40歳以上が被保険者となります。
40歳から給与から保険料が引かれているのはこのためですよね。このうち、65歳以上を第1号被保険者といい、40歳以上65歳未満の医療保険介入者を第2号被保険者といいます。
介護保険サービスには訪問看護や訪問介護・ディサービス・訪問入浴・福祉用具サービスなどがあり、要支援1~要介護5までの区分対象が割り当てられて、月単位で「区分支給限度基準額」つまり、MAXの単位数が割り当てられます。
このMAXを超えずに、より効果的なサービスをプランニングしてくれるのがケアマネさんという形になります。
医療保険とは
ここでいう医療保険とは私的医療保険、つまり民間の医療保険を指しておらず、公的医療保険を指しています。日本では、生活保護受給者などの極一部を除いて全国民が何らかの形で公的医療保険に介入するように定められています。
車でいうところの自賠責保険ですね。
生活保護の方は、この公的医療保険には加入せず、自治体から医療券を発行されて、これを医療機関に提示することにより医療費の負担なく医療を受ける事が可能になります。
訪問看護ではどっちの保険を使うの?
さて、この医療保険と介護保険の2つの保険制度に跨る訪問看護には、明確にどちらの保険を使用するかのルールがあります。
まず、介護保険において、65歳以上で要支援~要介護の認定を受けている方は基本的に介護保険での訪問看護利用となります。40歳以上65歳未満の方でも以下の16特定疾患の対象者で要支援~要介護認定をされた方は介護保険での訪問看護利用となります。
介護保険のある方は介護保険が優先利用となります。
では医療保険はどのような人が対象かといいますと、小児~高齢者まですべての世代を含みます。もちろん先ほど言ったように、介護保険が基本優先ですよ。
医療保険の対象は
①厚生労働省が定める疾病等(別表7)
②精神科訪問看護が必要な方
③重症心身障害児者等の方
となります。
訪問看護の開始までの流れ
訪問看護では、「訪問看護指示書」という医師からの指示をもらった上で訪問が可能です。
この訪問看護指示書が発行されるまでの流れは多岐に渡りますが、何個か例を挙げると
①退院に併せてMSWからの紹介があり医師から訪問看護指示書が発行される
②もともと介入していたケアマネから紹介があり、医師の同意もあり指示書が発行される
③本人や家族が訪問看護の導入を望み、主治医に相談したうえで同意があり指示書が発行される
のようなものが代表的です。
訪問看護の立場から医療保険・介護保険での介入の違い
介護保険の場合
介護保険での訪問看護サービス介入の場合、先に述べたように月単位で「区分支給限度基準額」つまり、MAXの単位数が割り当てられます。訪問看護もこの単位数に食い込む形になります。
月に1度の担当者会議にて、それぞれの介護保険サービスの必要性を検討し、サービス内容の割り当てがおこなわれます(かなり端折った表現です)。
つまり、訪問看護サイドがどれだけ必要と判断(まともだったとしても)、他のサービスとの兼ね合いであったり、医療の必要性の理解が得られない関係者の場合はサービス介入ができない可能性も孕んでいます。
医療保険の場合
後述する介入制限内であれば、医師の指示の基に介入制限は基本的にありません。
他のサービスとの兼ね合いやケアマネの理解(「一部」の理解の無い方の話です)が得られないなどの障壁は存在していないという形になります。
もちろん、医療介入だからと他社と連携を取らなくていいという話ではありません。
訪問看護の介入制限
介護保険の場合
介護保険では先程述べたように、「区分支給限度基準額」内であれば負担割合分で可能ですし、それを超えて自費で介入となれば本人や家族が負担を許容する限りそれも問題ありません。
医療保険の場合
自費となれば問題無いのは介護保険と変わりません。なんたって自費ですからね。
医療保険に関してはやや複雑です。
基本的には利用回数が以下のように定められています。
①週3回まで(3日ではなく3回です)
②利用時間は1回30分~90分まで
しかし、特例があります。
特例①別表第7に該当する場合
先程提示した別表7に該当する場合は先ほどの2要件から外れます
特例②別表第8に該当する場合
別表第8の医療:特別管理加算の対象も先程の2要件から外れます
特例③特別訪問看護指示書が発行された場合
特別訪問看護指示書の交付を受けるには、主治医が以下のいずれかの条件に該当すると判断し、頻回な訪問看護を必要であると認定してもらう必要がありますが、その要件は以下の3つです。
①急性感染症等の急性増悪時
②末期の悪性腫瘍等以外の終末期
③退院直後で頻回な訪問看護の必要があると認めた場合
この指示書の交付可能回数は原則月1回となりますが、以下の2つの要件に該当する者は月に2回まで交付が可能です。
①気管カニューレを使用している状態にある者
②真皮を超える褥瘡の状態にある者
特例①②③が通常の医療保険訪問と違うところ
①週に4回以上の訪問看護が可能
②3か所までの複数のステーションから介入が可能
③1日に複数回の訪問が可能
④複数名での訪問が可能
⑤外泊時の訪問が可能
といったところが違いになります。
医療保険と介護保険の報酬単価の違い
さて、訪問看護では1回の訪問当たりの報酬がいくらになるのか。
その全国の平均的な値が、厚生労働省「令和4年度介護事業経営概況調査結果」で介護保険の平均をみることが可能です。
訪問1回あたりの収入で8,009円とありますがこれです。
地域による差や施設基準による差などあり、事業所によって上下ありますが、あくまで平均です。
また、「日本の訪問看護のしくみ」によると、1利用者あたり、月に平均6~8回程度のサービス介入をしています。多く見積もって8回と仮定してみましょうか。
つまり、介護保険利用者1人あたりの月単価は
8,009×8=64,072円となります。
では、医療保険をみてみましょう。
別表7に該当する者が週2回の訪問看護サービスを受けたと仮定すると、
訪問看護基本療養費 5550×8
訪問看護管理療養費 7440×1
訪問看護管理療養費 3000×7
24時間対応体制加算 6400×1
特別管理加算Ⅰ 5000×1
これを合算すると、77,840円となります。
この算出で使用していない加算でまず複数名加算があり、そういった対象になった場合はもちろんそれがプラスされますし、早朝・夜間や深夜帯に訪問をすればそれに付随した加算が追加されます。
さらに、別表7や8に該当したり、特別訪問看護指示書に該当する方は週2回以上の訪問をすることが非常に多いですし、毎日訪問をする必要もある方も事実いらっしゃいますが、それを悪用することももちろん可能なのです。
どうにか別表に載せるための診断を付けることができないか、特別指示書を発行できないかと悪徳訪問看護サイドは考えるわけです。
自法人内に医師が居たり、’’かなり融通を効かせてくれる医師’’がいたら自由自在に特指示が飛び交うわけです。
概算の倍の週4回の訪問でも15万強、3倍の週6回でも22万強となる計算です。
在宅と施設で、診療報酬がやや違ったりと細かなところはありますが、だいたいを掴むとするとこんな感じです。
倫理観を捨て、売上を上げたいという一心で考えるとペルソナ設定が理解できる
※私個人、そして弊社が今から書くような考えで事業は展開しておりません。むしろ弊社は真逆です。
訪問看護で売上を上げる要件は
・訪問看護サービスを提供する(保険・保険外)
・経費を圧縮する
・集客効果の最大化
この3つの要件です(他事業で稼いでくるは抜いてます)。
訪問看護で楽に売上を上げる要件を詳しくみていくと、
・訪問看護サービスを提供する
①介入限界を他者に規定されないようにする
②1人の利用者に対し限界まで介入する
・経費を圧縮する
③継続的安定的に介入できる
・集客効果の最大化
④難病であるが人数も多く、専門的多角的に介入が必要と謳い、ピアサポートの側面も持たせることが可能な疾患を打ち出し集客する
⑤職員の移動コストを削減する
それぞれ細かくみていきましょう。
①介入限界を他者に規定されないようにする
ケアマネの介在や他サービスとの調整が入らない医療保険を選択する
②1人の利用者に対し限界まで介入する
医療保険の中でも介入制約が弱い者に介入する。つまり、別表7を対象とする
③継続的安定的に介入できる
医療保険で特例として沢山介入をしてもいいですよってルールになっているということは、それだけ治療やケアの必要性があるということです。利用者の状態は安定ではなく不安定であると考えられます。不安定…つまり死も大いにあり得る状態ということです。
利用者に死が訪れると、サービス提供をする対象がいなくなると同義です。つまり、新たに新規の依頼がないと損失になります。
さらにストマ、人工呼吸器、褥瘡の対応など、教育コストがかかる事も経費がかかる要因となります。
っとなったときに、別表7に載っているが、手がかからず、当面亡くなる可能性が低い疾患を選択する必要があります。
④難病であるが人数も多く、専門的多角的に介入が必要と謳い、ピアサポートの側面も持たせることが可能な疾患を打ち出し集客する
パーキンソン病は10万人あたり100~180人程度の15万人の患者数がいると言われています。
在宅人工呼吸器患者はTPPV・NPPVを併せても2万人程度といわれており、パーキンソン病と比較すると少ないです。
パーキンソン病であれば、リハビリテーション介入も意義として強くなりますし、在宅医の介入意義も大きなものになります。
そして何より、一般層でも疾患名を聞いたことがある可能性が高い疾患です。
真っ当にやったとしても本当に必要なサービスです。
が、しかし、不正を働きたいものにとっても意味付けが容易で強くpushしやすい部分になります。
⑤職員の移動コストを削減する
在宅サービスは自宅を訪問して回るか、自宅扱いの施設を訪問して回るかの2択です。当然自宅を訪問して回ると訪問の移動時間の給与はコストとして重くのしかかってきます。
では移動コストの低い施設というスタイルを取る必要があります。
ペルソナから導き出す形態
①自宅扱い施設である
②訪問診療/訪問看護/訪問介護を擁する組織体制にする
③別表7で一般認知されている可能性があり、患者数も多く、状態安定が長いパーキンソン病を看板に据える
④介入限界いっぱい訪問する
この4つが基本方針になり得るでしょう。
この4つの方針のうち、④さえなければ全く問題の無い運営方針です。
④がダメなんですよ。
訪問診療・訪問看護・訪問介護と、施設の運営母体が一緒であれば一番いいでしょう。利益は法人として共有できる形になりますからね。とはいえ、医療人材を確保するのはなかなか難しいのが現状です。
特に医師>看護師>リハスタッフの順で難しいです。
医師を確保できれば訪問診療を立ち上げていけばいいでしょう。
訪問看護は高収入を謳ったり人材紹介を介して3名確保すれば開業可能ですので、今から1人の利用者で稼ぐ額を考えると安いものです。
コメディカルは医師よりもお金で吊りやすいのが現状です。額としてもmindとしても…
医師が確保できない場合、方法として何個かありますが、考え得る方法として
A.近隣クリニックに施設建設を持ち掛ける
建設サポートと運営委託の一切を請け負い、クリニックでの通常診療に加え動線の良い訪問診療を提供することで投資&事業多角化&基板事業の収益UPの旨味を提供する
B.医師にマージンを払って紹介者として利用する
C,医師は捨てて、その他の繋がりで施設を埋めて訪問看護と訪問介護で稼ぐ
D,普通に施設を立てて集客しサービス提供をおこなう
こんな感じで施設に内包していくサービスを決めていくわけですね。
施設のうたい文句としては、こんなものが並ぶでしょう
主題は訪問看護なので訪問看護の話に戻しますが、上記のような背景とペルソナ設定がある訪問看護の求人ではこんな文言が並ぶことでしょう。
目につくうたい文句…特段悪くないですよね。
一見誰も悪くなさそうなところに問題ありなんですよね。
利用者・事業者・保険者・国民が皆win-win-win-winが理想です。
この不正の場合利用者と事業者のwin-winしか成立していない状況です。
場合によっては、利用者のwinすら成立していない可能性も高いです。
具体的な不正の前に訪問看護の請求額の推移をみましょう
背景
まず、前提として年\訪問看護における医療費が増加していることがわかります。
これもまた有名な資料ですが、医療保険における利用者別の1月の利用料を示していますが、中央値が59,740円、平均値が88,262円となっていますが、200,000円を超えるもののなかで最大で1,153,140円なんて請求額もあります。
こんな外れ値どうやって出すんだよ。
そもそも300,000円とか400,000円超えるなんてなかなかないはずなのに、600,000円~650,000円がぴょんって出てるのもおかしくない?ってなるわけですよね。
これは何かあるよね、施設相当怪しくね?黒じゃね?(だいぶ端折ってます)となって令和6年の改定では、医療保険の訪問看護で施設減算が入りました。
この画像の資料が令和3年でしたので、この資料発表から3年でここまで減算になるというのは結構なニュースとなりました。
さて、こんな早々に減算になってからチラホラと報道がでてきました。
それが今回の本題です。
まずどんな不正があったか
①30分以内で請求できないものを30分以上の介入として請求していた
②訪問していないのに訪問していたことにして請求していた
③訪問回数を上限の1日3回と会社が決めていた可能性がある
④複数名での介入が不要にも関わらず複数で介入していた
⑤複数名での介入が不要にも関わらず複数名で介入していた…事にしていた
⑥早朝夜間・深夜加算を毎日取得していた
主だったところはこんな形です。
訪問がないのに請求している場合は除き、30分以内の訪問であっても誰かが顔を出してくれる安心感はもしかしたらあるかもしれないし、会社が1日3回と決めていたとしても、一部の利用者からしたらそれはありがたいことかもしれないし、不安で孤独な夜に誰かが来てくれるなら安心ってことがあるかもしれません。
利用者や家族側も支払いとなっても毎月18000円とか54000円とかの上限額があり、総額いくらというのは関心が薄いものです。それなのに、自宅での不安の強い介護ではなく、専門的特化したした施設に入ることはむしろいい場合も多いと思います。事実、5分しか訪室せずとも、寝てるかの確認でチラッとしか訪問せずとも、たとえそれを30分以上の訪問として算定していようが、独居の孤独に比べたらいいかもしれません。
ただ、そこには事業者と利用者/家族のwin-winがあっても保険者とその後ろにいる国民は置き去りという現象が起きています。
救われる人がいたとしても、それはルールとしておかしいものなのです。
どんな報道があったか
2024年6月17日の報道
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb28f0e37f13a5ba565c2fbc35288dfdd7c4451e
複数のメディアが、大手を含む一部のホスピス型住宅の運営会社が医療保険の診療報酬を多く得る目的で、虚偽の記録作成や過剰な訪問看護を実施していると報じました。これらの報道は、難病や末期がんの患者を対象にした高齢者住宅で行われている不正について述べています。
大手の会社に3年前まで勤務した看護師は「記録上はどの入居者も1日3回、1回30分、複数人で訪問ということになっていたが、実際には5分で終わる場合もあった。複数人で訪問するのは一部の人だけだった」と証言した旨も記載されています。
2024年6月19日の報道
https://t-i-s.jp/newsdetails/7644
記事では、「ホスピス型住宅」において、過剰訪問をしている訪問看護があったことが指摘された上で、当時の武見厚生労働大臣が「患者の状態に応じた必要な訪問看護がなされるように診療報酬の中で適切に評価していきたい。」と述べている。
武見大臣は加えて、「令和6年度診療報酬改定において、訪問看護管理療養費について、訪問看護ステーションの利用者のうち、同一建物居住者であるものが占める割合に応じて評価を分けることとした。今般の改定を踏まえ、その影響について必要な検証等を行っていきたい。いずれにせよ、患者の状態に応じた必要な訪問看護がなされるよう、引き続き診療報酬の中で適切に評価していきたい」と述べています。
point
・国として把握してますよ。だから診療報酬で施設減算しましたよ。
・患者状態に応じた訪問、つまり、一律に訪問するなよ。
・あんまわけわからんことしてたら今後も減算するよ。
2024年6月23日の報道
https://www.47news.jp/11099869.html
大阪市東淀川区にある「アプリシェイト東淀川」で入居者に対し、グループ会社の訪問看護ステーションがひちゅ要請に関係なく過剰訪問を実施していたことを、社員(元・現)の証言で判明した旨を報道しています。
運営会社はこれを否定しているものの、証言を裏付けるLINE履歴などを確認したとしています。
2024年7月2日の報道
https://news.yahoo.co.jp/articles/7889f9d8604b00bd214fc3f6d4f33230c0489fe7
記事では「ホスピス型住宅」で手厚いケアを謳った事業者が、看護と介護は訪問すればするだけ儲かるからと過剰訪問を1つのビジネスモデルとして確立している旨が書かれています。ほとんどの患者や家族は不審に思う事もなく、やりたい放題の現状が看護師の告発とともに書かれている。
大阪市のアプリシェイトグループの訪問実態では、「記録上はどの入居者も1日3回、1回30分、複数人で訪問ということになっていたが、実際には5分で終わる場合もあった。複数人で訪問するのは一部の人だけだった」と証言も併記されている。
訪問看護と訪問介護併せてこの会社の得る収益が入居者1人あたり月平均100万円を超えており異常な実態が浮き彫りになっている。
また、このビジネスモデルにコンサルが関与していた可能性や、都合よく指示書を書く医師の存在も示唆されている。
point
・会社の指示で過剰訪問をおこなっている実態がある
・コンサルの関与も疑われる
・高額療養費制度により患者や家族が不審に思うことが少ない
・内部告発である
2024年8月23日の報道
https://news.yahoo.co.jp/articles/f6eaf749ac4e1b06eb9dbceadeeed22d8f2bb010
この記事は、在宅ホスピスや訪問看護に関連する不正の詳細と、その背後にあったコンサルタントの役割について深掘りしています。
2024年9月3日
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1508225
共同通信社によるサンウェルズ社の不正請求に関する質問への回答が公に。現状不正請求はないとの見解を示す。
https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20240903580221
共同通信社の質問に対し、サンウェルズ社が回答をしている文書になります。
2024年9月20日の報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC2071W0Q4A920C2000000
日本経済新聞が、サンウェルズが不正疑惑を受けて特別調査委員会を設置したと報じました。この委員会は同社より独立した社外の専門家で構成され、業務実態の調査を実施するとのことです。
2024年10月2日の報道
https://news.yahoo.co.jp/articles/7df8be8b8267916a9644660e8fe83de656e7271f
訪問看護の不正請求の報道が加速度的に増える中、看護師のMeToo運動と称すこんな記事まででてくる始末。そこで無知に働いている君らも同罪と考えられるが、、、
2024年10月24日
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd0d175399cf927270b2cfd217aaa59bef013274
一連の報道を受けて厚労省が反応
2025年1月12日の報道
https://news.yahoo.co.jp/articles/aa63c59e968462b9be7f79c295a1afa8bc87fbd8
複数のメディアが、サンウェルズが昨年末の社内連絡で、不正・過剰な診療報酬の請求を事実上認めていたことを報じました。この報道によると、サンウェルズは新たなルールの導入やチェックの仕組みを順次導入することを通知しています。
注意すべきは、まだサンウェルズ社が公に認めた声明は出していない点です。
2025年1月13日の報道
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf901de82d090bd53c3eb375dd73387f34bd9c66
上記NEWSの続報
報道された施設だけの問題か?
この診療報酬体系では、どう稼ぐかのアクセルと医療資源の保全をどうするかのブレーキのどちらも必要だが、ブレーキは倫理観にゆだねられており、そこに問題があるのではないか。
そして、この問題はこの報道された施設独自のノウハウではなく、診療報酬制度が読めれば簡単に思いつくものである。となると、倫理観に頼り、構造的な欠陥をそのままにしておくことは問題があるのではないか。今まではそれを余白として受け、どう出るかという駆け引きが通用していたが、それは難しい段階にきているのではないか。
不正をおこなった施設が閉鎖されたとして…その弊害は?
今いる利用者はどうなる?一番迷惑をこうむるのは結局利用者でありその家族である。
この問題の打開策って何かあるのか?
施設と在宅で同じ診療報酬体系に問題があるのではないかと思う。
在宅のような出来高制度ではなく、まるめ、施設基準としての人数配置など、病院に類する対応をすべきではないか?
しかし、そんなことをやるのであれば、緩和ケア病棟の増床などと絡めて議論もあってしかるべきではないかとも思う。
まとめ
訪問看護制度の基礎からお伝えしましたが、1つ大事なことは、2024年中は内部情報のみで本当に不正があったかどうかは確かではなかったということ。内部告発・すっぱ抜き報道の域をでず、唯一踏み込んだ共同通信社の質問及びサンウェルズ社の回答は医療従事者や訪問看護運営関連者からするとムムムとなる部分もありますが、各方面、ひいては株主へ向けては良い落としどころな回答であり、大きく的を外していないものであると感じた次第です。
この不正請求絡みで過去の事例と違うところが、
①減算までが早かった
②減算後に報道が加速した
③看護師の内部告発が続発した
そこで働いている人も、ここまで報道が出て、是正勧告が出て、減算まで喰らってて、、、まだそこで働いている貴方も同罪では?もう知らなかったで済まされないでしょう。
これから在宅へ行こうと思っている貴方。思ってなくても友人がいくかも知れない貴方。辞めなければいけないし止めなければなりません。
医療職がそういう職場で働かなければ、このビジネスモデルは崩壊するからです。
昨今、訪問看護も施設運営も医療職以外が利益を求めてやってきています。不景気になればなるほど公的なところに人は集まってきます。
参入障壁が低いところから入ってきます。
真の参入障壁は医療職の倫理観です。
対患者・利用者の医療としての倫理観もそうですが、制度理解と医療介護資源の保護という観点を含めた倫理観の両輪でもって日々業務にあたっていくことが大切だと思います。
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