当社はvisionをこのように定めています。
前回の記事でも書いたように、vision・mission・valueはこの会社の『型』になります。
詳しくはこちらの記事へ⇒例えるなら氷のよう
なぜこのように規定したのかを紐解き、より皆様に認識頂きつつ背筋を伸ばしてしっかりやりきるために、今回は細かに解説していこうかと思います。
まず、visionとは上の画像にあるように企業の基本となる価値観や信条、目指すべき理想の事を指します。
そこで、私はどのような社会になるために当社がどう寄与するかを軸に思考しました。
私の好きな企業理念は数社ありますが、訪問看護界隈で言うと…
ソフィアメディさんの、「生きる」を看る
https://www.sophiamedi.co.jp/
WyLさんの、全ての人へ家に帰る選択肢を
https://wyl.co.jp/message/
の2つが非常に好きなのですが、昨今の企業理念の多くはこれに類似したキャッチーな言葉に溢れているなという印象を一部で持っていたりするわけです。確かにキャッチーさというのは、採用戦略面や広報面において非常に重要な役割を果たしますが、visionにその要素を添加するのは個人的にあまり美しくないという価値観を持っています。だからこそ、当社はvision・mission・valueを総合的に表すテーマとして「全部、真っ当にまっとう」を据えてある意味そこをすみ分けています。
テーマは別で設けたので、がっちりと実現したい世界観をこのvisionに落とし込もうと試みました。
詳しくはこちらのページへ⇒当社理念について
ホームページのこのページにも一部解説していますが、より細かくお伝えします。
まず初めに思ったのが、自由でありたいということです。
それは皆が自由にあって欲しいということです。
私は常々、自由とは自ら選べることだと思っています。
何かと何か、複数のもの・事・道筋を自らの意思で選べることこそ自由と思っています。
生れ落ちてから亡くなるまで、この自由を最大限に活かしてほしいし活かせる社会であって欲しいと思っています。
しかし、私たち医療者は病やケガや老いによって様々な制約を課された人たちを沢山みてきています。
ここでいう制約とは、本来選択できたであろう選択肢が選択肢でなくなるという状況であったり、その選択肢を大なり小なり変容させて選択できる形に落とし込むことを余儀なくされた状態を指します。この制約は「思うようにいかなくてつらい・悲しい・切ない・心配」という憂いを産みます。
憂いには複数の漢字があります。
【憂い/愁い/患い】
1 予測される悪い事態に対する心配・気づかい。
2 嘆き悲しむこと。憂鬱で心が晴れないこと。
ふつう1は「憂い」、2は「愁い」と書きます。私も調べてしったのですが、まさに「患」という字も使われるんですよね。
また、類語として以下のようなものがあります。
考え事・思案・物思い・考え・心配・気疲れ・気苦労・心痛・心労・懸念・恐れ・憂慮・取り越し苦労・杞憂・悲観・恐れる・不安・危惧・危懼・疑懼・胸騒ぎ・気がかり・心がかり・不安心・心細い・心許ない・気遣い・煩い・怖い・危なっかしい・頼り無い・おののく・動揺・心騒ぎ・煩慮・憂惧・憂懼・憂い事・気遣わしい・痛心・鬼胎・ひやひや・はらはら・どきどき・おどおど・あぶなあぶな・恐る恐る・こわごわ・おっかなびっくり・おじおじ・おずおず・びくびく・こわがる・臆する・おびえる・びくつく・おじる・おじける・恐怖・恐れをなす・悪びれる・案ずる・気が気でない・そぞろ・足が地につかない・気が揉める・居ても立ってもいられない・矢も楯もたまらない・居たたまれない・生きた心地もしない・気になる・気に病む・おぼつかない
まさに、自身や身近な人が病やケガや老いに相対した時に抱くような不安感や焦燥感や恐怖心などが列挙されていますよね。
この病やケガや老い(=患い)はこのような様々な不安感や焦燥感や恐怖心(=憂い)を産みます。
この患うことで生じた憂いは、先に述べた類語の1つをチョイスするものではなくて、次々に色々なものが襲ってくるような形になります。
患った当初に抱いていた希望も早々に打ち砕かれたり、否定されるような出来事がどんどん重なってくる(=連鎖)と、新たな希望は抱きにくいし思考のすべてが「できない」の方向性に向きがちです。
このような、「患うことに起因する憂いの連鎖」に対し当社としてなにかできることはないかと考えました。
患うことは、身体的・精神的・物理的に障壁を産みます。体が思うように動かないからできない、気持ちが沈んでしまってできない、この段差があるからできないなどです。もう一つ大きな障壁としては経済的障壁がありますが、当社の事業ではその点を完全にサポートできる訳ではないです。適切なサービスに繋げるお手伝いとして間接的に関わることは可能かもしれませんが…
とにもかくにも、この身体的・精神的・物理的に障壁に対して我々の専門性をもって適切に関われば、この「憂いの連鎖」を食い止めることができるのではないかと思っています。
私たちは看護師やリハ専門職の資格を有した人員で構成されている組織です。そして地域のなかでは医学モデルを理解した(とされている)数少ない専門職になります。
他の職を従えるようなやり方ではなく、自らの専門性からの知見を踏まえて他職と共同することでよりその障壁を患った方やその周囲の方が乗り越えられるように関わっていきたいと思っています。
また、当社で働く職員が自己犠牲心でそれらを実施するのではなく、会社組織として労務を整えて属人性を極力排除して組織だって動き永続的にサービスの提供できるよう組織を構築していきたいと思います。
これらすべての行動は、医療として人として道を逸れず真っ当に行われるものであり、それを持続していくよう日々努力します。
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