この記事の要点(一問一答)
Q:訪問看護と訪問介護は、何が違うのですか?
A:訪れる職種と、動く根拠が違います。訪問看護は看護師やリハビリ職が、医師の出す訪問看護指示書に基づいて訪問し、健康状態の観察、医師の指示に基づく医療的な処置、リハビリを担います。訪問介護は介護保険のサービスで、ホームヘルパーが調理や掃除などの生活の援助、入浴や排泄の介助を担います。もう一つの違いは保険です。訪問介護は介護保険で利用しますが、訪問看護は介護保険と医療保険のどちらにもなり得ます。
つまり、暮らしの手が足りないなら訪問介護、体調の管理や医療的な処置が必要なら訪問看護、という線引きになります。両方を同時に使っている方も少なくありません。
違いは「誰が訪れて、何を根拠に動くか」
混同されやすい二つですが、出発点から異なります。
訪問看護は、主治医が発行する訪問看護指示書がなければ始まりません。看護師やリハビリ職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)が訪問し、医師の指示に基づいて療養上の世話や必要な処置を行います。介護保険を使う場合は、ケアマネジャーが作成するケアプランにも位置づけられます。
訪問介護は介護保険のサービスで、ホームヘルパーが生活の援助と身体の介助を担います。医師の指示書は必要としません。
「看護師に来てもらうか、ヘルパーに来てもらうか」で迷ったときは、困っていることが体調や医療のことなのか、暮らしの動作のことなのかで切り分けると判断しやすくなります。判断に迷う場合は、担当のケアマネジャーか、私たちのような訪問看護ステーションにご相談ください。
訪問看護で受けられる支援の範囲
訪問看護で行うことは、大きく次のように整理できます。
- 健康状態の観察と評価:血圧や呼吸などの確認、前回からの変化の把握、服薬の状況の確認
- 医師の指示に基づく医療的な処置:在宅で対応してきた処置には、人工呼吸器(TPPV・NPPV)、HFNC、喀痰吸引、経管栄養、在宅中心静脈栄養(IVH)などがあります。いずれも数ある対応処置の一つで、主治医の指示に基づいて行います
- リハビリ:理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が、生活の中で動作の維持や改善を図ります。介護保険では1回20分を単位として数え、40分の訪問なら2回分として計算します
- 療養生活の相談:自宅での過ごし方、家族の介護のしかた、医療機器を使いながらの生活の組み立て
- 多職種との連携:主治医、ケアマネジャー、薬局、他のサービス事業者と情報を共有しながら在宅生活を支えます
える訪問看護ステーションでは、終末期やがんの看護を含む在宅支援にも関わっています。門真事務所と豊中サテライトを拠点に、門真市・守口市を中心として、高槻市・枚方市を除く大阪府北部を訪問しています。体制は看護師15名、理学療法士4名、言語聴覚士1名です(作業療法士は現在在籍しておりません)。
夜間や休日の連絡・訪問について
24時間対応の体制をとっています。夜間は看護師がオンコールで待機し、ご連絡を受けて対応します。電話で解決できることは電話で対応し、必要と判断した場合に訪問します。
休日も訪問しています。お盆、ゴールデンウィーク、年末年始、大晦日も含めた365日の体制です。ただし休日の訪問予定は、重症の方やターミナル期の方を中心に組んでいます。すべての利用者に休日訪問を行うわけではなく、在宅生活を続けるために必要と判断した範囲で伺うという考え方です。
保険の使い分けと料金の考え方
基本的には介護保険が優先されます。要支援・要介護の認定を受けている方は、ケアプランに沿って介護保険で利用します。
次のような場合は医療保険が適用されます。
- 介護保険の認定を受けていない方
- 別表7に該当する疾患の方(末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、ALS、脊髄小脳変性症、パーキンソン病関連疾患、進行性筋ジストロフィー症、ハンチントン病、多系統萎縮症、プリオン病、頸髄損傷など)
- 別表8に該当する状態の方(気管カニューレや留置カテーテルを使用中、在宅酸素療法・在宅人工呼吸・在宅中心静脈栄養法などの指導管理を受けている、人工肛門または人工膀胱を設置している、真皮を超える褥瘡があるなど)
- 主治医から特別訪問看護指示書が出ている場合
ご自身がどちらに当たるかは、認定の状況と病名・状態によって決まります。判断は私たちと主治医、ケアマネジャーで確認しますので、ご家族が調べ切る必要はありません。
料金は「仕組み」で理解しておく
介護保険の場合は、基本単位に地域区分を掛け、そこに自己負担割合(1割・2割・3割)を掛けて計算します。基本単位はどの職種が、何時間訪問したかで決まります。要介護度の違いによる基本料金の差はほとんどありません。ケアマネジャーが、単位数の上限に収まるよう全体を調整します。
医療保険の場合は、訪問看護基本療養費と訪問看護管理療養費に各種加算を加えた形です。基本療養費は週3日までと週4日以降で異なり、管理療養費は月の初日と2日目以降で異なります。高額療養費制度により月の自己負担には上限があり、マイナンバーカードと保険証が紐づいていれば、契約時にその場で上限額を確認できます。
加算には、24時間対応体制に関する緊急時訪問看護加算、医療デバイスの管理に関する特別管理加算、初回加算、時間外・夜間・早朝の加算などがあります。
地域区分は「事務所の所在地」で決まる
誤解の多い点をひとつ整理しておきます。地域区分は利用者宅の住所ではなく、訪問した事務所の所在地で決まります。門真事務所からの訪問には門真市(3級地)の地域区分が、豊中サテライトからの訪問には豊中市(4級地)の地域区分が適用されます。
具体的な金額は診療報酬や介護報酬の改定で変わるため、この記事には記載していません。実際の負担額は契約時にお一人ずつご説明します。
依頼から訪問開始までの流れ
開始の要件は、主治医の訪問看護指示書と、介護保険を使う場合はケアプランです。ご本人やご家族からのご相談、主治医や病院の退院支援の担当者、ケアマネジャーからのご相談など、入り口はさまざまです。
契約のときは、重要事項説明書・料金表・契約書が一冊にまとまった冊子でご説明します。会社と事業所のこと、サービス提供時間、職員体制、訪問看護でできること・できないこと、緊急時の対応、事故が起きた場合の保険、料金、キャンセルの扱いまで順に確認していきます。
キャンセルについては、当日のご連絡の場合はサービス1回分の全額がキャンセル料となります。前日までにご連絡いただくか、別の日に振り替えていただければ、キャンセル料はかかりません。
担当制をとっていない理由と、ご相談の窓口
当ステーションは担当制をとっておらず、訪問のたびにスタッフが替わることがあります。これには理由があります。
ひとつは、複数のスタッフが関わることで多角的に状態を見られること。もうひとつは、夜間や休日に急な対応が必要になったとき、駆けつけたスタッフが「初めまして」にならないことです。緊急時にお互いを知っている状態をつくっておくために、日ごろから複数で関わる形をとっています。相性の問題は起こり得ます。人と人のことですから、合わないと感じられたときはご相談ください。
訪問看護を使うかどうか決まっていない段階でも、状況を伺って整理のお手伝いはできます。訪問介護のほうが合っている場合は、そのようにお伝えします。訪問看護を継続して受けられることが大事であって、当ステーションで受けることが大事なのではない、と考えています。他の事業所のほうが条件に合うと判断した場合も、遠慮なくお申し出ください。
ご相談の窓口は、える訪問看護ステーション(株式会社える)です。門真事務所は大阪府門真市元町8-4 アンシャンテ高宮1階、豊中サテライトは大阪府豊中市上新田1-10-10-306にあります。
最終更新日:2026年7月30日
監修:える訪問看護ステーション
「訪問看護と訪問介護の違い|依頼の流れ・できること・保険の使い分け」へのコメント
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